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ペインクリニックでの花粉症(アレルギー性鼻炎)治療に関するQ&A


  • 1. ペインクリニックで花粉症の治療ができるのですか?

    花粉症の治療の第一選択は抗アレルギー薬などの薬物療法です。しかし、眠気や倦怠感などの副作用が多いため継続する事が困難な方がおられます。一方、ペインクリニックでよく行われる星状神経節ブロック(SGB)は、日常の眠気を起こさずに難治性の花粉症を緩和する効果が報告されています。

  • 2. 星状神経節ブロック(SGB)とは何ですか?

    神経ブロックは、痛みを伝える神経、手足を動かす運動神経、自律神経である交感神経に作用して刺激の電導をブロック(伝わらなく)します。そうする事で痛みをはじめとする諸症状を改善する事ができます。特に交感神経に対するブロックの効果は特徴的です。交感神経のブロックにより支配領域の血流を改善し、発汗を抑え、痛みの反射路を遮断して痛みや痛みの悪循環を改善します。星状神経節ブロック(SGB)は交感神経のブロックの1つです。頚部の交感神経節に局所麻酔薬を注射する事で交感神経の過緊張を緩め、頭、顔、腕、胸などの血流改善や鎮痛をもたらします。帯状疱疹・頚椎症・頸肩腕症候群などによる頚部や腕、肩、胸などの痛み、頭痛、顔面神経麻痺、CRPS(複合性局所疼痛症候群)などの交感神経が関与した痛み、多汗症など多くの疾患に効果があります。

  • 3. 星状神経節ブロック(SGB)はなぜ花粉症に効くのですか?

    痛みとは関係の無い花粉症になぜ星状神経節ブロック(SGB)が行われるのか疑問にもたれる方も多いと思います。交感神経の過緊張の緩和、鼻粘膜の浮腫軽減、鼻粘膜の修復、鼻粘膜の過敏性の軽減などが作用機序と考えられています。他の疾患の治療目的で星状神経節ブロック(SGB)が行われた際にアレルギー性鼻炎が改善した経験に基づいているようです。

  • 4. 星状神経節ブロック(SGB)は1回やれば花粉症を抑えることができるのですか?

    ペインクリニック学会のガイドラインでは花粉症の急性期に連日交互に片側10回ずつ行うこととしています。しかし10回まで行わなくても1シーズンに数回行う事で効果を実感される患者さんもおられます。

  • 5. 花粉症に対して星状神経節ブロックを健康保険で行う事はできますか?

    残念ながら花粉症単独では星状神経節ブロックを保険診療で行う事ができません。他の疾患の治療と併せて行うか、自由診療で行います。

  • 6. つかはらペインクリニックでは花粉症の治療をどのように行っていますか?

    まずは内服治療を行います。また、ご希望に合わせて頚部の星状神経節近傍にキセノン光の照射を行います。キセノン光の照射は体への負担は小さいですが、効果が穏やかなため複数回の治療が必要です。内服薬の副作用(眠気など)が強い、効果が小さい、あるいは花粉症の症状が重い患者さんには星状神経節ブロック(SGB)の効果と副作用をお話してから超音波(エコー)を併用して行います。自由診療で初回は5000円、2回目以降は3500円です(税別、3か月空いたら初回とさせていただきます)。他の疾患の治療と併せて保険診療を行う事も可能なので、一度ご相談ください。

  • 7. 超音波(エコー)ガイド下の星状神経節ブロックとは何ですか?

    エコーを用いる事で星状神経節ブロックの副作用(出血、局所麻酔薬中毒、反回神経麻痺など)を減らす事が可能です。院長は、以前は効果と副作用のバランスを考えると花粉症に神経ブロックを行う事に疑問を感じていました。しかしエコー画像が鮮明になり、ピンポイントで針先を目的の部位に誘導する事が可能になり、安心して星状神経節ブロックを行う事ができるようになりました。当院では、花粉症の症状が重い患者さんで効果と副作用のバランスがとれていると考えられる場合はエコーを用いて慎重に星状神経節ブロック(SGB)を行っています。

    エコーを用いる事で神経ブロックの安全性と確実性が格段に上がります。患者さんに安全で効果的な治療を提供できるよう、これからも精進していきたいと思います。

参考文献:ペインクリニック治療指針改定第6版

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