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慢性の頭痛に関するQ&A


  • 1. ペインクリニックで治療を行う慢性の頭痛にはどんなものがありますか?

    頭痛は、他に原因がない一次性頭痛と、他に原因がある二次性頭痛に大きく分けられます。ペインクリニックでは主に一次性頭痛の治療を行います。例えば、緊張型頭痛、片頭痛や群発頭痛などを対象とします。

  • 2. 緊張型頭痛の特徴は?ペインクリニックではどのような治療をするのですか?

    緊張型頭痛は頭痛の中で最も頻度が高く、生涯有病率は30~78%、日本人の約3000万人がこの頭痛に悩まされていると報告されています。
    締めつけれられるような痛みが両側性に生じる事が多く、発作的な痛みを繰り返すものや、長時間痛みが持続するものなど症状の様式は様々です。一次性頭痛の中では症状は穏やかで、「頭は痛いが日常生活は送る事ができる」事がほとんどです。原因として、種々のストレスによる首や肩の筋肉の緊張が主たる原因と考えられてきましたが、痛みに対する感受性の亢進、大脳辺縁系の機能異常なども複雑に関与していると考えられています。
    緊張型頭痛の予防療法としては各種の抗うつ薬、漢方薬が使用されます。また頓挫治療(頭痛発作を早く鎮めるための治療)では、非ステロイド性鎮痛薬の使用が一般的です。
    ペインクリニックでは、内服薬の調整、筋膜リリース(Fascia/Hydro release)、トリガーポイント注射、後頭神経ブロック、ボツリヌス毒素の注射などを行います。

  • 3. 片頭痛の特徴は?ペインクリニックではどのような治療をするのですか?

    片頭痛は頭痛全体の6.0~8.4%を占め、女性の有病率は男性の3.6倍で、30歳代に多いとされています。日本では約600~840万人がこの頭痛に悩まされていて、そのうち医療機関を定期的に受診している患者さんは2.7%に過ぎないと報告されています。片頭痛は三叉神経が支配する頭蓋内外の血管が拡張することで起こると考えられています(三叉神経血管説)。
    片頭痛は、頭痛の部位、性質、発症様式、好発時刻などの問診から診断します。片頭痛の痛みは中等度から重度であることが多く、「発作時には寝込んでしまう」こともしばしばです。睡眠不足や、肩こり、過労、眼精疲労などが発作の誘発因子となります。キラキラした光が見える、視野が狭くなるなどの視覚性の前兆に引き続いて、頭の半分に(片側性)拍動性の痛みが生じるのが典型的な片頭痛と考えられがちですが、必ずしも前兆は伴わず、40%以上は両側性で左右交互に症状が現れる場合もあります。また、頭痛以外にも、片頭痛発作中にアロディニアと呼ばれる異常感覚を合併する場合があり、髪の毛に触れるとピリピリする、眼鏡が不快、手足がピリピリする、腕時計が不快、などの症状を生じます。
    片頭痛の予防療法としてβ遮断薬、カルシウム拮抗薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、漢方薬などを使用します。効果の有無を判定するために、2カ月は継続します。重度の発作の頓挫治療には、トリプタン製剤が第一選択です。トリプタン製剤は豊富に存在し、効果には個人差が大きいため、一つのトリプタン製剤が効かない場合はその患者さんに合った薬に出会うまで順次処方を変更します(トリプタンローテーション)。
    ペインクリニックでは、内服薬の調整、前頭神経ブロック、耳介側頭神経ブロック、後頭神経ブロック、星状神経節ブロックなどを行います。

  • 4. 群発頭痛の特徴は?ペインクリニックではどのような治療をするのですか?

    群発頭痛の有病率は約0.07~0.09%とあまり頻度は多くありません。群発頭痛は、男性が女性の3.6倍多く、20歳~40歳に発症する事が多い頭痛です。
    突然、片側の目の奥やこめかみに激痛が生じ1時間程度で自然におさまります。年に1~2回、あるいは数年に1回程度の周期で、6~12週間程度、毎日のように頭痛発作が生じ(群発期)ますが、その時期が過ぎれば全く頭痛は起こりません。頭痛以外に、自律神経症状(結膜充血、流涙、鼻閉、眼瞼下垂、顔の発汗)を伴います。睡眠中に起きやすい事も特徴の一つです。
    群発期の予防療法としては、ベラパミル、ステロイド、炭酸リチウム、抗うつ薬などを用います。急性期の頓挫治療はスマトリプタンと酸素吸入が第一選択です。スマトリプタンの内服が困難な場合は皮下注射を行います。
    ペインクリニックでは、内服薬の調整、三叉神経ブロック、後頭神経ブロック、星状神経節ブロックなどを行います。

  • つかはらペインクリニックでは慢性の頭痛に対してどのようなアプローチをするのですか?

    問診などから、頭痛のタイプを診断して、それぞれの患者さんに合った予防薬と頓挫薬(頭痛発作を早く鎮める薬)を選択します。また、頭痛が起こりにくい生活の仕方を患者さんと一緒に考えます。頭痛発作の際は、酸素吸入、吐き気止めの注射、各種の神経ブロックなどを行います。

参考文献:
・ペインクリニシャンのための新キーワード135 /小川節郎 
・ペインクリニック治療指針改定第4版

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