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腰痛・肩こり・背中の痛みの原因、「椎間関節症」に関するQ&A


  • 1. 椎間関節症とは何ですか?

    脊椎の骨(椎骨)は、椎間板と2つの椎間関節3点で連結しており、椎間板は前方の、椎間関節は後方の荷重を支えています。椎骨は7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎で構成され、隣接する上下の椎骨の左右の連結部すべてに椎間関節があります。椎間関節は緩く靭帯で繋がっていて、脊椎の動きをスムーズにしています。

  • 2. 椎間関節症とは何ですか?

    椎間関節に過度な力が加わったり、椎間板の変性、脊椎の圧迫骨折、分離すべり症、脊椎手術などで脊椎の不安定さが生じると、椎間関節の変性が生じます。機械的刺激や炎症により、椎間関節周囲の知覚神経が興奮し、痛みが生じます。これを椎間関節症といいます。

  • 3. 頸椎の椎間関節症の症状は?

    首を前後に動かしたり振り向いたりすると、障害された椎間関節に痛みが生じます。関連痛として、首、肩、肩甲骨周囲など、椎間関節から離れた部位に痛みが生じる場合があります。肩こりの局所の治療をしてもなかなか治らないときは、椎間関節症を疑って治療をする必要があります。

  • 4. 胸椎の椎間関節症の症状は?

    体幹のちょっとした動きで痛みが生じる場合があります。関連痛として、肩、肩甲骨周囲、腰骨の周囲など椎間関節から離れた部位に痛みが生じる場合があります。背中の痛みがあって、局所の治療をしてもなかなか治らない時は、椎間関節症を疑って治療をする必要があります。

  • 5. 腰椎の椎間関節症の症状は?

    腰椎に急激な力が加わって発症する、いわゆる「ぎっくり腰」の原因の一つに椎間関節症があります。急性期は体を動かす事も困難なほどの腰痛が生じる場合があります。また、慢性の腰痛も椎間関節の変形が原因の場合があります。腰椎椎間関節症の主な症状は、「腰を後ろに反らすと痛い」「脊椎の近くに圧痛点がある」「痛みの範囲は神経の走行と一致しない」「運動で痛みが増強する」などです。お尻やふとももに関連痛が生じる事があります。椎間板ヘルニアと異なり、足の痺れは少ないとされていますが、椎間関節症がひどくなると側弯が生じ、足の痺れが生じる事があります。

  • 6. 椎間関節症の診断は?

    X線検査、MRIやCT検査で椎間関節の硬化像、狭小化、骨棘を認める事がありますが、臨床症状とは必ずしも一致しません。つまり、関節の変形が小さくても強い痛みが生じたり、逆に変形が大きくても症状が無かったりします。一番の診断は椎間関節ブロックです。椎間関節ブロックで効果を認めると椎間関節症の可能性が高くなります。

  • 7. 椎間関節症の治療は?

    急性期(ぎっくり腰など)には数日間だけ安静に過ごします。椎間関節ブロックや非ステロイド性鎮痛薬、筋弛緩薬などを用いて痛みを和らげながら、少しずつ体を動かしていきます。椎間関節ブロックはX線透視下で行うと成功率が上がりますが、施行可能な施設が限られる上、X線の被ばくのリスクがあります。一方、エコーでも椎間関節を見つける事ができ、外来で繰り返し行う事ができます。

  • 8. つかはらペインクリニックでは椎間関節症にどのような治療をしているの?

    当院では、椎間関節症を疑った場合、エコーガイドで椎間関節ブロックを行っています。急性の椎間関節症(ぎっくり腰など)には、飲み薬の鎮痛薬が効く程度までブロックで痛みを軽減する事を目標に治療を行います。1回だけの治療では完治は難しくても、多くの場合、数回繰り返すと痛みが和らいでいきます。何回か通っていただき、痛みを和らげながら社会復帰のお手伝いをいたします。

    椎間関節ブロック以外にも、星状神経節ブロック、硬膜外ブロックなども効果があります。

    慢性の椎間関節症で、椎間関節ブロックを繰り返してもすぐに効果が無くなってしまう場合は、椎間関節周囲の神経に高周波熱凝固を行うと効果が長くなる場合があります。残念ながら、当院では高周波熱凝固は行っていないため、他の大きな施設にご紹介させていただきます。

肩こりや腰痛の背景に、椎間関節症があるかもしれません。首~肩~背中の痛みでお困りの方は、一度ご相談ください。

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